筑西市誕生記念「第12回明野薪能」曲目解説

 

狂言『魚説法(うおぜっぽう)』

  漁師は殺生が嫌になり出家したが、にわか坊主なので経も読めず説教もできない。ある男が堂供養をするために、寺へやって来た。住持は留守で、新発意がお布施欲しさに男の堂へ行く。説教はしたことがないが、それにふさわしく魚の名前を並べて説法をする。

 

素囃子『三番叟(さんばそう)』 

能であって能でないと言われている「翁」は、最も古い祝祷の儀式で、天下泰平、国土安穏を祈り、三番叟は「翁」の中で五穀豊穣を祈ります。悠久の時が流れ、時間を超えて、全ての物に等しく与えられている条件、仕組みを表しています。華やかに弾んだ拍子に始まり、段々律動的な演奏へと発展して行きます。生命の鼓動を感じる躍動感あふれる一曲です。

 

狂言『茶 壷(ちゃつぼ)』 

田舎者が酔っばらって眠り込んでいるのをよいことに、その背負っている茶壷をすっぱ(盗賊)が盗もうと知恵を絞る。
 目を覚ました田舎者と争い、目代(代官)に互いに茶壺は自分のものだと主張する。困った目代は二人同時に茶の由縁を舞い語らせる。
 茶壺の行方は・・・。


能『国 栖(く ず)』 

典拠…不明
役別…前シテ:里の老人(漁翁)、後シテ:蔵王権現
   子 方:天武天皇
   
前ツレ:里の姥(老嫗)、後ツレ:天女
   
ワ キ:朝 臣、ワキツレ:輿舁(こしかき)

 浄見原天皇(大海人皇子・後の天武天皇)は大友皇子に追われ吉野の山中へ隠れる。川舟に乗った老人夫婦は天皇に国栖魚(鮎)を焼いて献上し、食べ残しを川に放つと、魚は生き返って泳いだので一同は吉兆だと喜ぶ。
 そこに追手が来る。老人は船を裏返しに干し、天皇をその下に隠して追手を迎える。老人が御行衛を尋ねる追手に対しては、知らぬと言ったり、嚇したりしてついに退散させた。

  やがて夜も更け、天女が舞うと、蔵王権現が出現し、新しい御代を寿ぐ。